交通事故死者数「0」を目指して

警視庁高尾警察署交通課長 古 屋 幸 一

 

警視庁本部の災害対策課という地震等の担当部署から、高尾署の交通課長に着任してから、早いもので2年半が経ちました。地震などの天災は、歴史が物語るごとく必然であり、減災することは出来ても、残念ながら防ぐことは出来ません。しかし、交通事故は防ぐことができます。

 

昭和30年代の都内における年間交通事故死者数が約1,000人を数えた「交通戦争」からの教訓により、年々交通事故死者数は減少し、昨年1年間の交通事故死者数は168人と、2年連続で200人を下回り、戦後最小記録を更新したほか、交通事故の発生件数及び負傷者数を13年連続で減少させることができました。

 

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もちろん、医学の進歩や、信号機等のハード面での向上も減少の一因として挙げることは出来ますが、やはり、交通安全協会をはじめとする交通ボランティアの方々と警察の連携した各種取り組みにより、都民のみなさんに交通ルールと安全意識が普及・浸透し、交通マナーが向上したことが最も大きいことなのです。

 

昨年1年間の高尾署管内の交通人身事故の発生件数は371件で、交通事故死者数は1人、負傷者数は398人でした。管内の主要幹線道路である甲州街道等の6路線における事故原因を分析してみると、なんと50.7パーセントが追突事故でした。つまり、前方不注視、「前を見て運転していない」ことが原因だったのです。

 

私は、みなさんと協力して、交通ルールと安全意識をより一層普及・浸透させ、交通マナーを向上させることができれば、必ず交通事故死者数「0」を達成することができると信じています。

 

なぜなら、「前を見て運転する」という当たり前のことをして、注意を怠らなければ、事故は一挙に半数近くまで減少するのですから!

 

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